運動をするお子さんの腰痛改善には、身体の柔軟性より使い方のほうが重要なんですよ!

こんにちは。新潟市秋葉区美善 さかつめ整骨院 鍼灸院院長の坂爪です。

4月になり新学期が始まりますね。
春休みが終わって進級、進学するお子さんも多いでしょう。
クラブ活動を開始して運動を定期的にする子も多いですよね。

そこで心配なのは怪我をすること。
例えばこんなお母さんもいるのではないでしょうか?

中学校に進学してクラブ活動でバスケを始めた息子。
仮入部から正式に練習に参加するようになって毎日”疲れた”とはいいつつ楽しそう。
小学校までは運動をしていなかったので、練習についていけるか心配だったけど、大丈夫そうかな。

練習を開始してから1ヶ月、最近少し元気がなくなってきている。
よく聞いてみると”実は最近腰が痛い”なんて言い始めている。
しばらく痛みを我慢しながら練習を続けてみたけれど、いよいよ我慢できなくなって病院を受診。

先生に説明して、レントゲンを撮ったけど「特に骨に異常はないですね。しばらく無理をしないように練習してください。あと身体が硬いので柔軟、ストレッチをしてくださいね!」と言われシップと痛み止めをもらって帰宅。

”確かにうちの子は体が硬いから腰も痛くなるのね”

とちょっと納得して教えてもらったストレッチを息子とと一緒に行いながら、寝るときにはシップを貼って就寝。

しばらく練習も別メニューにしてもらい、ストレッチも一生懸命やってみた。
日常生活や、軽い練習では痛がらなくなったみたいなので、本格的に練習を復帰させたらまた同じ様に腰が痛いと言い出した。

こんなお母さんはおられませんか?

お医者さんに言われた通りやったのに治らないでまた悪くなる。
今回の腰に限らずよく見られる光景です。

”身体が硬いと怪我をしやすい”

よく言われることですね。

しゃがむ(いわゆるヤンキー座り)事ができない=身体が硬い、というイメージをお持ちの方も多いと思います。
それではしゃがめない子は怪我が多いのでしょうか?

確かにしゃがめない子供さんは痛みを抱えている率が多いとは感じています。

やっぱりしゃがめないくらい身体が固くなっているから怪我が増えるんだ!

そう考えるのが普通かと思います。
しかし、実はしゃがむ動作はアジア人特有の動作らしく、欧米では15%程度しかできないようです。
では、欧米人は怪我する率が多い、そんなことはないですよね。

しゃがみ切る(ヤンキー座り)ことはできなくてもスクワットのようなしゃがむ動作ができないわけではありません。
これはアジア人である日本人の

  • からだの特徴
  • 生活習慣の変化

が関係しているのです。

次に詳しく見ていきましょう。

骨盤の傾きの違い

一般に日本人を含むアジア人と欧米人は骨盤の傾きが違うと言われています。

日本人:骨盤後傾
欧米人:骨盤前傾

写真で見るとこんな感じですね。
骨盤後傾の場合はいわゆる猫背姿勢ですね。

民族的に基本姿勢が違うのです。
当然しゃがむ時にも動きが多少変わります。

骨盤前傾姿勢ではしゃがむ際に(といってみ椅子生活の欧米ではしゃがむ必要性が低い)膝を曲げていけば連動して股関節も曲がっていきます。
しかし骨盤後傾姿勢では膝を曲げると重心が後方に移動して後ろに倒れそうになります。

倒れないようにより膝を曲げながら、前方に移動足首が動ける範囲ギリギリになってから、お尻を落としていくため、後ろに倒れない様に腰を丸め股関節の動きが非常に少ないまましゃがんでいきます。
最後にら重心が後方にいくため結果つま先が浮いて尻もちをついてしまう。

写真で見るこんな感じです。

子供さんの中には身体の柔軟性はあるのにしゃがめない子がいます。
こういう子は少しコツを教えるとすぐに出来るようになります。

つまりしゃがむという動作は日本人がもともと出来る動作ではなく、環境によって出来るようになっていたと考えれます。
ではその環境とは何なのでしょう?

生活環境の変化

そんな事を考えている時、私は自分の耳を疑うこと伝え聞きました。
それは今年小学校に進学するお子さんをお持ちのママさんからの話。

治療中にお子さんお話になり、衝撃の事実を知ることになるのです。
ある日の治療院での会話。

私:
「今年からお子さん小学生ですか!それはおめでとうございます!〇〇ちゃんもやっと小学生ですね!」

ママさん:
「そうなんですよね、ありがとうございます!
ところでこないだ〇〇が入学する小学校からお手紙が来たんですよ!なんて書いていたと思います?

『入学までに和式トイレにしゃがめるよう練習していてください』

ですって、そんなしゃがめない子がいるのかしら?」

私:
「今の子供はかかとをつけてしゃがめない子が多いですからね。逆にしゃがめる子の方が少ないかもしれないですね。かかとが離れればしゃがめる子は多いですよ」

ママさん:
「えーそうなんですか!しゃがむなんてて誰でも出来ると思っていました逆にうちの子は余裕でできるからそれが普通と思っていました」

こんな会話があったのですが、和式トイレにしゃがんだことがないお子さんが増えおり、小学校もその点を注意しなければ行けないくらい家庭と学校の環境が違うということです。

生活が欧米化するなか、日本人の姿勢も変化してきていますが完全に欧米人のようになったわけではありません。
もともと姿勢的にしゃがむのが苦手な日本人はトイレなどの生活動作や正座など独自の身体操作を行うことで、しゃがむという動作を習得して言ったのではないかと考えます。

つまりお子さんがしゃがめないのは、身体が硬いからしゃがめないのでは無く、しゃがみ方がわからない、やったことがないからできないということなのです。

なぜしゃがめないと腰が痛くなるのか

上の写真は骨盤前傾、下は骨盤後傾です。

前傾であれば股関節、膝関節が比較的連動してしゃがむ動作が行えます。
逆に後傾はしゃがむ過程で腰を丸める傾向が強いです。

バスケットでは守備の際はこの姿勢で腕を上げてディフェンスしますが、腰背中の丸まった状態では腕も上がりにくく、丸めて伸ばされ筋肉をまた使ってしまうという状態です。
さらに力を抜いてしゃがんでいる訳ではないので全身ガチガチです。

つまり疲労がたまりやすくなります。
そのまま練習を続ければ筋疲労が痛みに変わっても不思議ではありません。

簡単なしゃがみ方のコツ

しっかりしゃがめるには股関節、膝関節、足関節、腰骨盤などの関節が自分の重心の位置に真下降りてくるように連動しなくてはなりません。

例えば自転車を乗る時でも、最初は補助輪から始まって少しずつ練習して、知らない間に乗れていたかと思います。
補助輪無しだと倒れますよね、それを倒れないようにバランスを取りながらペダルをこぐと乗れるようになります。
しゃがむという動作はこれまでほとんどの方は当たり前にできていたのが、今は自転車と同じように習得して初めてできる動きになったようです。
腰を痛がるお子さんをお持ちの方は、一度しゃがませてみてください。

もししゃがめなければ、かかとにお尻をつけるように座る事を試してみてください。
この動きがスッとできたならば、腰痛の緩和など思いがけない効果が得れるかもしれませんよ?

当院でできること

人間の身体は姿勢や動きの不具合でいろいろな場所に痛みを発します。
しかし、痛い場所は結果であり、そこに無理がかからざる得ない状態が原因の事が多いです。

当院では姿勢、身体の動きをしっかり観察、検査した上でその人の身体が無理なく動ける、より良い状態になれるように治療していきます。

しゃがめない、身体が硬いと気にしていて、運動をすると痛くなるとお困りの方はご相談くださいませ。

【柔道整復師・鍼灸師 坂爪 慶監修】

 

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