慢性的に手がしびれる、もう手術しかないと言われている人に知ってほしいこと

こんにちは。新潟市秋葉区美善 さかつめ整骨院 鍼灸院 坂爪 慶です。

手のしびれでお困りの方はこんな経験がありませんか?

朝、目が覚めるといつものように手がしびれている。

「今日も手がしびれて目が覚めちゃったか」
ためいきをつきながらベットから起き上がったけど、朝から憂うつな気分。

寝ていて目がさめるほどではないけど毎日だと結構つらい。
朝ごはんを作ろうと包丁を握ってもなんか力が入りにくいし、手がしびれるようになってから作るのに時間がかかるし、あまり料理がしたくなくなってきた。

なんとか料理とお弁当を作って、子供と旦那を送り出し私も出勤する。

仕事で手を使うことが多いので午前中より午後のほうがしびれが強くなり余計つらくなってくる。
手を振ると少し楽になるので、頻繁に手を振っていると同僚から

「大丈夫?」

なんて声がかかる。

「大丈夫、大丈夫!」

返事をするけど、顔がこわばってるのがバレたかしら。

仕事が終わって帰宅しても夕食の準備やら何やらで忙しい。
夕食を作っているときが一番つらいので、仕事中以上に手を振りながら、

「あ~、手がしんどい」

なんてぼそっと言うと、息子が

「お母さん、大丈夫?病院行ってんじゃないの?」

と声をかけてくる。

そう確かに病院には通院して病名はわかっているけど、症状はかんばしくない。

先生からは
「この症状は手根管症候群ですね」
「しばらく様子を見ましょう」
「あまり良くなければ手術ですね」
なんて言われている。

でも家事や仕事の関係で手術は絶対イヤ。
しびれを抑える薬や痛み止めを飲んでも全然良くならない。

もうどうしたら良いの?

手根管症候群とは

今この文章をお読みの方はこんな症状にお困りの方なのではないでしょうか?

「手根管症候群」って言われているけどよくわからない!

そんな方のために、まず手根管症候群の説明から

手根管(手首にあるトンネルのことを言います。図1の青丸のこと)その中には神経(正中神経)と指を曲げる筋(屈筋腱)が通っています。

このトンネルは(図1)のように”骨”と”靱帯”(横手根靱帯)で構成されています。
トンネル内の筋が使いすぎで腫れたりすると神経が圧迫され、小指以外の4 本の指にしびれや痛みが生じます(図2)

場合によっては親の付け根の筋肉が痩せることもあります(図2)
ざっくり言うとこんな感じです。

1)立体図

2)平面図

一般的な手根管症候群の治療とは?

整形外科などで手根管症候群の診断が下りると2つの治療方法が選択されます。

1)基本的には症状が出てから時間が経っていない場合は安静が指示されます。

具体的には、痛み止め、神経の血流を良くするためのビタミン剤(B12) が出され、場合によっては夜に装着する装具(手首を動かないようにする支柱入りのサポーター)が出されるなどの治療方法です。

2)症状が出てから時間が経っている(1年以上)や、腫瘤、腫瘍が原因の場合

筋肉が痩せている(萎縮と言います)場合は手術を行うことが多いです。

つまり、しびれ、痛みが出てからしばらく様子を見て、一年経っても変化がなかったら手術というところでしょうか。

普段の生活で”しびれ”、”痛み”にお困りの方で、手術はちょっと勘弁してくれという方に手術をしないで手根管症候群の改善が見込める方法をお話したいと思います。

何かしら変化が現われるかもしれませんよ!

そのしびれ、痛み、あきらめないで!

手根管症候群は神経が圧迫されて症状が出ると先程書きました。
しかし神経だけの問題ではないことも考えられるのです。

手根管症候群のしびれは手を振ると改善すると言われています。
フリックサインと呼ばれる診断のための検査の一つです。

「手を振って楽になったら手根管症候群が疑われる」

ということです。

しかし手根管のトンネルで圧迫された神経は手を振っただけで圧迫の度合いは変わりません。

ということは手根管のトンネルだけで神経の圧迫による症状が出ているわけではなく、他の要因が考えられるということです。

「逆になんで手を振ったら楽になるのだろう」

を考えると…

手を振る

準備体操でも行う

何かをリラックス

筋肉か?

とは考えられないでしょうか?

手を振ることで血管を圧迫している筋肉が一時的にリラックスするためしびれが楽になると考えられます。
同じようにしびれがでるものに正座があります。

正座をすると足がしびれますよね。
でもしびれや麻痺が残ったりすることは無いです。

なぜ同じようにしびれるのにこんな違いが出るのでしょうか?

正座で足がしびれるメカニズムは

正座を続けるということは、自分の体重が足に全てかかる状態です。
このとき足にある血管が圧迫され、それにより血行が悪くなってしまいます。この血行不良によって足のしびれが発生します。

足の血行が悪くなると、それが神経に影響を及ぼします。神経のうち太いものが血流悪化やそれによる酸素不足の影響を受け、そのために一時的に麻痺が起きてしまうのです。
正座から立ち上がった際に足を捻ったことがある方もいるかもしれないですね。

つまり正座によるしびれは血管が圧迫される事が原因であり、神経が圧迫されると麻痺が生じてるのです。

手のしびれ、痛みが主症状の方は足のしびれと同じであり、つまり血管を圧迫している腕の筋肉の緊張を取り除けば症状は改善する可能性があるといえます。

それでは整理してみましょう。

足のしびれ

正座によって体重が足の血管を圧迫

正座をやめれば一時的圧迫されていた血管の血流回復

時間が経てばしびれ、痛みはおさまる

手のしびれ

手の使いすぎ、または腕や手の筋肉が緊張し続ける状態が続く。

手がしびれる

使いすぎの状態が持続

筋肉の緊張がある限界を超えると休ませても緊張が取れなくなる

という感じでしょうか。

手根管症候群のセルフケア方法

腕の筋肉を緩めるといっても、痛み、しびれがある場合積極的に使うことを躊躇するかもしれません。
しかし筋肉は使わなければ痩せてしまい、能力は低下します。
その状態で仕事などで負荷をかけることはより腕の筋肉が疲労してしまいます。

まず最初にしっかり力をいれる事から始めましょう。

  1. 肩幅に立った状態で腕を下ろしリラックスする
  2. 小指から順番にゆびを曲げながら手を握り5秒間キープする
  3. その動作を10回繰り返す

さらに

  1. かべの前に立ち、肘を90度曲げて両手をかべにつける
  2. そのままかべを押すようにしながら手首が反れる範囲まで動かす
  3. そのまま5秒間かべを押す
  4. 力を抜いてかべを改めて押すと手首が少し反らせるようになっている

この動きを3回程度行います。

手首の動きの改善に伴って腕の筋肉の緊張も改善しているはずです。

まとめ

手根管症候群と診断されて、手術が必要と言われている方に症状が改善する可能性があることをお伝えしました。
お伝えした方法を実行していただければ、しびれ、痛みが少し改善するかと思います。
なかなかご自身ではわかりにくいと感じる方は当院でもご指導することが可能です。
お悩みの方はご相談くださいませ。

【柔道整復師・鍼灸師 坂爪 慶監修】

 

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