
長引く咳によって背中や胸に強い痛みが出る原因を解説しています。
結論は「咳の繰り返しによる肋骨の疲労骨折の可能性が高い」です。
ぶつけて折れる骨折とは仕組みが違い、固定だけでは痛みが取れにくいケースが多くみられます。
当院では、筋肉や神経の過緊張をゆるめ、全身の循環を整えることで、骨折部の回復をサポートする施術を行っています。
目次
結論
咳が止まらず2か月ほど続き、背中や胸が強く痛む場合は、長引く咳の繰り返しによって肋骨に疲労骨折が起きている可能性があります。
喘息など、激しい咳が続く方に比較的多くみられる症状です。
この文章を書いた人

さかつめ整骨院鍼灸院 院長
坂爪 慶
取得資格
- 柔道整復師
- 鍼灸師
新潟市秋葉区生まれ(旧新津市)
開院60年を超えた整骨院の2代目です。
なぜ咳で肋骨が折れることがあるのでしょうか?

肋骨は、胸とお腹を分けるドーム状の骨で、呼吸のたびに膨らんだり縮んだりしている繊細な骨です。
左右に12本ずつ、合計24本あります。
咳は、私たちが思っている以上に強い力を体にかけている動作なのです。
咳を1回するだけでも、肋骨周りの筋肉がぐっと強く収縮します。
これが2か月、3か月と毎日繰り返されると、肋骨は休む暇なく強い力を受け続けることになります。
ひとつひとつの咳の衝撃は小さくても、それが積み重なることで肋骨に小さなヒビが入ってしまうのです。
これを「疲労骨折」と言います。
特に、喘息(ぜんそく)や気管支炎などで激しい咳が続いている方、もともと骨が弱い高齢の方、女性で骨密度が下がりやすい方は、咳による肋骨の疲労骨折が起きやすいと言われています。
また、ゴルファーでがスイングのしすぎで肋骨に疲労骨折を生じる場合もあります。
咳による肋骨骨折と、怪我で起こる肋骨骨折の違い]

同じ「肋骨骨折」でも、起こり方がまったく違うため、症状の出方も注意点も変わってきます。
折れ方の違い
怪我で起こる肋骨骨折は、転倒や強い打撲、交通事故、スポーツでの衝突など、1回の強い力が肋骨に直接かかって折れるタイプです。
骨が耐えきれる以上の力が一気に加わり、その瞬間に折れてしまいます。
一方、咳による肋骨骨折は「疲労骨折」の一種で、咳そのものに大きな力があるわけではありません。
肋骨にくっついている筋肉(特に脇腹あたりの前鋸筋や外腹斜筋)が、咳のたびに繰り返し肋骨を引っ張り続けます。
その小さなダメージが積み重なり、ある時点で骨が耐えきれなくなって折れてしまうのです。
針金を何度も曲げ伸ばしすると、強い力をかけていなくても最後にポキッと折れてしまう、あのイメージに近いです。
折れる場所にも違いがあり、咳による骨折は第5から第9肋骨、ちょうど脇腹のあたりに多くみられます。
長引く風邪・喘息・COPDで咳が続く方、骨密度が低い高齢の方、閉経後の女性、痩せ型の方になりやすい傾向があります。
痛みの出方の違い
共通する症状は、深呼吸・咳・くしゃみ・寝返りで痛みが強くなること、押すとピンポイントで痛む部分があることです。
しかし、痛みの始まり方は決定的に違います。
ぶつけて折れた場合は「ぶつけた瞬間」がはっきり分かり、皮下出血や腫れを伴うこともあります。
咳による骨折では、患者さんから次のような訴えをよく聞きます。
「ぶつけた覚えがないのに、いつのまにか脇腹がズキズキ痛む」
「咳をしたら急にビキッと痛みが走った」
痛みは徐々に強くなることが多く、皮下出血はほとんど見られません。
レントゲンに写りにくい
どちらのタイプも単純なレントゲンでは、痛めた直後に見つけにくいことがあります。
肋骨は湾曲していて重なって写るため、ヒビ程度の骨折線は見逃されやすいのです。
特に咳による疲労骨折は、最初のレントゲンで「異常なし」と言われても、2〜3週間後に骨が修復しようとする跡が写って初めて骨折が分かるケースが少なくありません。
「咳が続いていて脇腹が痛むのに、異常なしと言われた」という方は、超音波検査やCTで再評価すると骨折が見つかることがあります。
治し方と注意点の違い

治療の基本は、どちらも自然に骨がくっつくのを待つ「保存療法」で、手術になることは基本ありません。
肋骨バンドで胸の動きを抑え、痛み止めで痛みをコントロールしながら、おおむね3〜6週間で骨がくっついていきます。
ただし、咳による骨折で最も大切なのは、原因となっている咳そのものを治すことです。
咳が止まらないままだと、治りかけた骨に再びストレスがかかり、治癒が遅れたり、再び骨折してしまったりします。
長引く咳の背景には、喘息・後鼻漏・逆流性食道炎・百日咳など、治療すべき病気が隠れていることもあるため、内科での精査が勧められます。
また、特別にぶつけてもいないのに咳だけで骨折してしまった場合は、骨粗鬆症が背景にある可能性があります。
特に中高年の方は、骨密度の検査を受けることをおすすめします。
簡単に言いますと、
ぶつけて折れる骨折は「強い力で一度に折れる」、咳による骨折は「弱い力で繰り返し引っ張られて折れる」という違いになります。
固定バンドをしても痛みが取れにくいのはなぜでしょうか

整形外科では、肋骨の骨折に対して「肋骨バンド」と呼ばれる固定具を巻くことが一般的です。
しかし、咳による疲労骨折の場合は、バンドだけでは思ったほど痛みが軽くならないことが多いです。
ひとつめの理由は、骨そのもののずれが少ないため、固定によって得られるメリットが少ないことです。
ふたつめの理由は、痛みの原因が骨そのものだけではないことです。
長引く咳によって、肋骨を支えている周りの筋肉がカチカチに固くなり、その奥を通っている神経も強い緊張状態にあります。
この「筋肉と神経の過緊張」こそが、痛みの大きな部分を作り出しているのです。
ですから、骨を固定するだけでは、筋肉と神経の興奮はそのまま残ってしまい、痛みが続くのです。
痛みは体全体のバランスや循環にも影響します

咳と肋骨の痛みが続くと、体は無意識のうちに「痛くない姿勢」を探します。
背中を丸めたり、片側に体を傾けたりして、痛い場所をかばってしまうのです。
このかばう姿勢が続くと、体のバランスは少しずつ崩れ、血液やリンパの流れも悪くなります。
この流れのことを、まとめて「体循環」と言います。
循環が悪くなると、体に必要な栄養や酸素が肋骨や周りの筋肉に十分に届きにくくなります。
骨は、栄養と酸素をしっかり受け取ることで少しずつ修復されていくため、これは骨折の治りにとって大きなマイナスです。
つまり、痛みをかばう→姿勢が崩れる→循環が悪くなる→治りが遅くなる、という悪い流れが生まれてしまうのです。
当院でのアプローチ

さかつめ整骨院鍼灸院では、咳による肋骨の疲労骨折に対して、骨そのものへのアプローチはもちろん、痛みを増幅させている要因にアプローチしていきます。
一つめは、骨折そのものへのアプローチとしては、微弱電流療法機器を用います。
年齢を増減することにより、組織の回復が早くなることが期待できます。
もちろん、骨折の痛みに対しても有効です。
二つめは、肋骨周りの筋肉と神経の過緊張をゆるめることです。
鍼灸や手技を使って、こり固まった筋肉と興奮している神経を落ち着かせていきます。
これによって、骨折そのものの痛みは残っていても、体全体の症状はぐっと楽になってくることが多いのです。
三つめは、整体によって体全体のバランスを整えることです。
背骨や骨盤、肩などの位置を本来のラインに戻していくことで、姿勢の崩れを少しずつリセットし、血液とリンパがしっかり流れる体に戻していきます。
骨折そのものが治るには時間が必要ですが、その時間をできるだけ快適に、できるだけスムーズに過ごせるようにサポートすることが、当院の役割だと考えています。

なお、咳が長く続いている場合は、原因となっている病気そのものへの対応がとても大切です。
内科や呼吸器内科での診察を受けたうえで、肋骨や体全体の痛みのケアを並行していくことをおすすめしています。
まとめ

長引く咳のあとに背中や胸の強い痛みが出てきた場合、肋骨の疲労骨折の可能性があります。
ぶつけたわけでもないのに痛い、息をするたびに響く、寝返りで激痛が走る、こうした症状はその代表的なサインです。
ぶつけて折れる骨折と違い、咳による疲労骨折は固定だけでは痛みが取れにくいのが特徴です。
これは、痛みの主な原因が筋肉と神経の過緊張、そして体のバランスの崩れによる循環不良にあるからです。
「ぶつけた覚えがないのに脇腹が痛い」「咳をしたら脇腹に激痛が走った」という方は、ただの筋肉痛と決めつけず、まずは医療機関で評価を受けることが大切です。
咳がなかなか止まらず、背中や胸の痛みでお困りの方は、ひとりで我慢を続けず、内科で咳の原因を確認したうえで、当院にもお気軽にご相談ください。
【柔道整復師・鍼灸師 坂爪 慶監修】
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