
はじめに
こんにちは。
新潟市秋葉区 さかつめ整骨院鍼灸院の坂爪 慶です。
これから年末を迎え、長期休暇やお正月休みに突入する方も多いと思います。
そんな時に限って起こりやすいのが、ぎっくり腰。
病院も治療院も閉まっているし、どうしたらいいのか頭を悩ませた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、ぎっくり腰になった時の正しい対処法を3つお伝えしたいと思います。
実は、ぎっくり腰の時についやってしまいがちな対処法が結果的に回復を遅らせてしまったり、症状を長引かせてしまうことが非常に多いのです。
その点について、最新の研究エビデンスを交えながら詳しくお話ししていきます。
ぎっくり腰の自然経過を知っておこう

まず対処法をお伝えする前に、ぎっくり腰の自然な回復経過について知っておいていただきたいことがあります。
医学雑誌BMJに掲載されたシステマティックレビューによると、急性腰痛の方の30〜60%は1週間以内に改善し、60〜90%は6週間以内に回復するとされています。
さらに、12週間以内には95%の方が回復するというデータもあります。
つまり、極端な言い方をすれば、ぎっくり腰は適切に過ごしていれば多くの場合は自然に良くなっていくものなのです。
しかし、この「適切に過ごす」という部分が非常に重要です。
間違った対処をすると、本来なら早く良くなるはずのものが長引いてしまう可能性があります。
対処法その1:安静にしすぎない

なぜ安静がよくないのか?
ぎっくり腰になると、「とにかく安静にしなければ」と思ってしまいがちです。
痛みが強いと動くのが怖くなりますし、無理をしないように横になっていたくなる気持ちはよく分かります。
確かに、痛みが非常に強い最初の2〜3日は、無理をせず安静にすることが必要な場合もあります。
しかし、それ以上の長期間の安静は、実は回復を遅らせてしまう可能性があることが分かっています。
エビデンスが示す「安静」の問題点
医学文献データベースPubMedに掲載されたシステマティックレビューでは、10件の安静に関する研究と8件の活動継続に関する研究が分析されています。
その結果、安静は急性腰痛に対して効果的な治療法ではなく、むしろ回復を遅らせる可能性があることが一貫して示されました。
一方で、日常活動を続けるようアドバイスを受けた患者さんは、より早く仕事に復帰し、慢性化しにくく、再発も少なかったのです。
また、Cochrane Review(コクラン・レビュー)という信頼性の高い医学レビューでも、1435人の患者さんを含む9件の研究を分析した結果、活動を続けることを推奨した群の方が、機能の回復が良好であったと報告されています。
実践的なアドバイス
では、具体的にどうすればよいのでしょうか?
それは、痛みと相談しながら、可能な範囲で日常生活を送ることが大切です。
「痛いから全く動かない」のではなく、「痛みが許す範囲で少しずつ動く」という姿勢が回復を早めます。
必要以上にかばいすぎないこと、安静にしすぎないことが、症状を長引かせないポイントです。
もちろん、激しい運動や重いものを持つといった無理は禁物ですが、家の中を歩いたり、軽い家事をしたりといった日常動作は、むしろ積極的に行った方がよいのです。
対処法その2:コルセットの正しい使い方

コルセットは「卒業」が大切
ぎっくり腰になってすぐは痛みが強いため、コルセットを使用することで楽になる方も多いと思います。
症状が強い初期の段階では、コルセットを積極的に活用してもよいでしょう。
しかし、ある程度症状が緩和した後も、コルセットを常時使用し続けることは、回復を妨げる要因になる可能性があります。
ある程度回復してきたら、自分自身の筋力を使えた方が回復は早いのです。
「コルセットで筋肉が弱る」は本当か?
「長期間コルセットを使用すると、腹筋や背筋が弱くなってしまうのでは」と心配される方も多くいらっしゃいます。
しかし、実はこの点については興味深い研究結果があります。
2024年に発表されたレビューでは、コルセット使用による筋力低下の懸念は、実際のエビデンスでは裏付けられていないと報告されています。
市販のコルセットを使用しても、筋肉を著しく低下させるという効果は認められていないのです。
むしろ問題なのは、恐怖心からコルセットを使い続けることで、心理的に「コルセットなしでは不安」という状態になってしまうことです。
この心理的な依存が、結果的に腰痛が改善しにくい状況を作ってしまうことがあります。
段階的にコルセットから離脱する方法
ある程度回復してきたら、徐々にコルセットを外していくことをおすすめします。
具体的には、以下のような方法があります。
・朝起きた時が辛ければ、午前中だけコルセットを着用し、午後は外してみる。
・仕事中だけ着用し、家に帰ったら外す。
・痛みが強い動作の時だけ着用し、それ以外は外しておく。
このように、少しずつコルセットを使う時間を減らしながら、自分の筋肉で腰を支える感覚を取り戻していくことが大切です。
対処法その3:痛み止めの賢い活用法

痛み止めは初期に有効活用する
ぎっくり腰になった初期の段階では、ご自宅にある痛み止め(消炎鎮痛剤)があれば、しっかり服用して有効活用することをおすすめします。
Cochrane Reviewの分析では、NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)は急性腰痛に対して、プラセボと比較して短期的な痛みの軽減にわずかながら効果があることが示されています。
また、アメリカ内科学会のガイドラインでも、急性腰痛に対する第一選択の薬物療法としてNSAIDsが推奨されています。
痛み止めの効き方で「炎症の有無」を判断する
ここで知っておいていただきたい重要なポイントがあります。
消炎鎮痛剤という名前の通り、痛み止めは「炎症」がある場合に効果を発揮します。
しかし、実はぎっくり腰の中には、大きな炎症を伴っていないケースも多いのです。
痛み止めを服用しても全く効かないというぎっくり腰の場合は、炎症があまりないタイプだと理解してよいでしょう。
一方、痛み止めが効いて楽になる場合は、炎症を伴っているタイプということになります。
温めるか冷やすかの判断基準
この痛み止めの効き具合を、温めるか冷やすかの判断材料にすることができます。
痛み止めが効く場合(炎症があるタイプ)
– 発症当日〜数日は冷やした方が回復が早くなる可能性があります
– 入浴は可能でも、あまり温めすぎると症状が悪化する可能性があるので注意が必要です
– 炎症が落ち着いてきたら、徐々に温めるケアに移行します
痛み止めが効かない場合(炎症が少ないタイプ)
– 腰の痛みがある部分を温めながら経過を見るのがよいでしょう
– 入浴で温めることで筋肉の緊張がほぐれ、楽になることが期待できます
– 湯たんぽやホットパックなどでの局所的な温めも有効です
このように、痛み止めの効き方を観察することで、ご自身の腰痛のタイプを把握し、適切なケアを選択することができるのです。
まとめ

いかがでしたか。
今回は、年末年始に備えて知っておきたい「ぎっくり腰の正しい対処法3選」についてお伝えしました。
1. 安静にしすぎない
痛みが許す範囲で日常活動を続けることが、回復を早めます。
長期間の安静は、むしろ回復を遅らせる可能性があります。
2. コルセットは段階的に卒業する
初期は活用してもよいですが、回復に伴って徐々に使用時間を減らしていきましょう。
心理的な依存を避けることも大切です。
3. 痛み止めを賢く活用する
初期の痛み止めは有効です。
その効き具合で炎症の有無を判断し、温めるか冷やすかの参考にしましょう。
ぎっくり腰は多くの場合、適切に対処すれば6週間以内には改善していきます。
しかし、症状が長引く場合や、足のしびれ、排尿障害などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診されることをおすすめします。
年末年始も皆さまが健やかに過ごせますよう、お祈りしております。
お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。
【柔道整復師・鍼灸師 坂爪 慶 監修】
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