
この記事の要約
朝、布団から起き上がろうとすると腰がこわばって痛み、目覚めるのが憂鬱になっていませんか?
その多くは、寝ている間に腰まわりの筋肉が冷えて固まることが関係していると考えられています。
この記事では、年齢とともに朝の痛みが出やすくなる理由と、寝る前にできるお尻のストレッチ、起き上がる前のひと工夫をお伝えします。
結論
朝の腰の痛みは、「年のせいだから仕方ない」とあきらめるものではありません。
多くは、寝ている間に筋肉が冷えて固まることが関係しています。
年齢を重ねると寝返りが減り、腰や全身が固まりやすくなります。
寝る前のストレッチや、起き上がる前に腰を少し動かしておくことなど、ご自分でできることがあります。
ただし、安静にしていても痛むときや熱があるときは、医師の診察が必要な場合があります。
この文章を書いた人

坂爪 慶(さかつめ けい)
取得資格:柔道整復師/はり師/きゅう師(国家資格)
新潟県新潟市のさかつめ整骨院鍼灸院院長
新潟市秋葉区生まれ(旧新津市)
1997年から施術に携わり、整形外科での勤務を経て、2017年12月にさかつめ整骨院鍼灸院を開業しました。
痛いところだけを見るのではなく、立ち方や座り方、体の傾きまで含めて原因を一緒に探すことを大切にして施術を行っています。
なぜ朝に腰が痛くなるのでしょうか?
「朝、起きる時に腰が痛くて、目覚めるのが憂鬱です」
こうしたご相談を、よくいただきます。
日中は動いていて気にならないのに、朝の起き上がりだけがつらい。
そんな方が多いのではないでしょうか。
寝ている間、私たちの体はほとんど動いていません。
動かない時間が続くと、筋肉は冷えて、だんだん固まっていきます。
特に腰まわりの筋肉は、体を支える大きな筋肉です。
ここが固まった状態で、急に体を起こそうとします。
すると、こわばった筋肉が引っ張られて、痛みとして感じやすくなるのです。
起きてしばらく動いているうちに、痛みが和らいでくることが多いのも、そのためです。
動くことで筋肉が温まり、ほぐれてくるからなのです。
年齢を重ねると、なぜ朝の痛みが増えやすいのでしょうか?
ここで大切になるのが、「寝返り」です。
寝返りは、ただ寝相が悪いということではありません。
同じ姿勢が続かないように、寝ている間に体が自然に向きを変えている動きなのです。
寝返りをするたびに、腰や背中の筋肉が少しずつ動きます。
そのおかげで、筋肉が固まりにくくなっています。
ところが、年齢を重ねると、この寝返りが減ってきます。
寝返りが少ないと、腰だけでなく全身が同じ姿勢のまま長い時間を過ごすことになります。
その結果、朝起きたときに体がガチガチに固まっている、ということが起きやすくなるのです。
東京大学医学部附属病院の理学療法士、山口正貴さんも、痛みや体の働きの低下が、寝ている間の寝返りの減少と関係していることを指摘しています。
そして、寝る環境を見直すことと、ストレッチなどで体の働きを高めることをすすめています(※1)。
寝返りとお尻の筋肉は、どう関係しているのでしょうか?
意外に思われるかもしれませんが、寝返りはお尻の筋肉を使って行っています。
試しに、仰向けに寝た姿勢から、横向きに寝返ってみてください。
腰から下をくるっと回すときに、お尻にぐっと力が入るのが分かると思います。
このお尻の筋肉が固くなっていると、寝返りの動きが小さく、回数も少なくなりがちです。
寝返りが減ると、腰まわりが固まりやすくなります。
朝の腰の痛みを考えるときには、腰だけでなく、お尻の筋肉にも目を向けることが大切なのです。
寝る前にできることは?
寝る前に、寝返りで使うお尻の筋肉をゆるめておきましょう。
椅子に座ったままできる、お尻のストレッチをご紹介します。
椅子は、キャスター(車輪)のついていない、安定したものを使ってください。

- 椅子に座り、左脚を右の太ももの上にのせます。
- 背すじを伸ばすように、腰に軽く力を入れます。

- 背すじを伸ばしたまま、お辞儀をするように上半身を前に倒します。
- 左のお尻の外側が伸びている感じがあれば、そのまま20秒保ちます。
- 左が終わったら、右脚も同じように行います。
伸びるのは、上にのせた脚の側のお尻の外側です。
左脚をのせたときは、左のお尻の外側が伸びます。
寝返りのときに使う筋肉なので、ここが伸びている感じがあれば正しくできています。
太ももの付け根や膝が痛むときは、倒しすぎです。少し戻して行ってください。

ポイントは、背中を丸めずに、おへそを太ももに近づけるイメージで倒すことです。
呼吸を止めずに、ゆっくり行いましょう。
痛みが出るところまで無理に倒す必要はありません。
「気持ちよく伸びている」と感じるくらいで十分です。
途中で痛みが強くなる場合は、すぐにやめてください。
起き上がる前にできることは?
朝、目が覚めたら、すぐに起き上がらないでください。
寝ている間に固まった腰を、布団の中で少し動かしてから起きましょう。

- 仰向けのまま、両膝を立てます。
- 両膝をそろえたまま、左右にゆっくり倒します。
- これを10回ほど繰り返します。
腰まわりを少し動かして温めておくことで、起き上がるときの準備になります。
急に体を起こすのではなく、ひと呼吸おいてから起きる習慣をつけてみてください。
まとめ
朝の腰の痛みは、年のせいだから仕方ない、というものではありません。
寝ている間に筋肉が冷えて固まることが関係しています。
年齢とともに寝返りが減ることで、腰や全身が固まりやすくなります。
寝返りには、お尻の筋肉が大きく関わっています。
まずは今夜から、寝る前にお尻のストレッチを試してみてください。
そして朝は、起き上がる前に膝を左右に倒して、腰を少し動かしてから起きてみましょう。
ご自分でケアをしても朝の痛みが続く場合や、気になることがある場合は、お気軽にLINEかお電話でご相談ください。
【柔道整復師・はり師・きゅう師 坂爪 慶監修】
※1 山口正貴:寝返りと睡眠の関係.理学療法ジャーナル 57(8):935-940,2023.
さかつめ整骨院鍼灸院公式LINE@ページ
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