
目次
この記事の要約
この記事では、治療を続けてもなかなか良くならない五十肩について解説しています。
結論は「悪化していく肩の痛みには、五十肩ではない病気が隠れていることがある」です。
その代表例がリウマチ性多発筋痛症という病気で、血液検査が発見のきっかけになります。
結論
五十肩と言われて治療を続けているのに、良くなるどころか悪化していく。
そんな肩の痛みには、五十肩ではない別の病気が隠れていることがあります。
その代表例が「リウマチ性多発筋痛症」です。
血液検査で炎症の数値(CRP)を調べることが発見の手がかりになり、適切な治療を受ければ改善が期待できる病気です。
この文章を書いた人

さかつめ整骨院鍼灸院 院長
坂爪 慶
取得資格
- 柔道整復師
- 鍼灸師
新潟市秋葉区生まれ(旧新津市)
開院60年を超えた整骨院の2代目です。
なぜそう言えるのか——実際にあった相談

先日、県外の同業の先生から、こんな症例の相談を受けました。
その先生の院に、親指の付け根の痛みで通院していた50代の女性の患者さんがいました。
あるとき、左肩が痛くなってきたのです。
思い返すと、痛みが強いのは左でしたが、両方の肩とも挙げづらくなっていたそうです。
その方は整形外科にも並行して通っていて、そこでは「五十肩でしょう。そのうち良くなりますよ」と言われていました。
レントゲンを撮っても、やはり「五十肩ですね」という説明だったそうです。
ところが、痛みはどんどん強くなっていきました。
少しずつ腕が挙がらなくなり、ご本人は「腱が切れてしまったのではないか」ととても不安になられたそうです。
そこで別の病院を紹介してもらい、詳しく調べた結果はどうだったか。
診断は五十肩ではなく、「リウマチ性多発筋痛症」だったのです。
肩の中には水(炎症による液体)が溜まっていて、血液検査では炎症の数値(CRP)が高くなっていました。
「五十肩だと思っていたら、実は別の病気だった」。
このようなことは、決して珍しくありません。
肩は「五十肩」と診断されて見逃されやすい病気がいくつもある部位なのです。
リウマチ性多発筋痛症とはどんな病気?

あまり聞き慣れない名前だと思います。
まず知っておいていただきたいのは、名前に「リウマチ」と付いていますが、手の指などが変形していく「関節リウマチ」とは別の病気だということです。
リウマチ性多発筋痛症は、50歳以上の方、特にご高齢の方に多く起こる病気です。
肩・首・腰・太ももなど、体の中心に近い大きな筋肉に、痛みとこわばりが出ます。
日本リウマチ財団などの解説によると、この病気の特徴は次のようなものです。
肩の痛みが最も多い
症状が出る場所として一番多いのが肩です。
だからこそ、五十肩と間違われやすいのです。
朝のこわばりが強い
朝起きたときに体がこわばって、なかなか起き上がれない。
動き出すと少し楽になる。
このパターンが特徴的です。
全身の症状が出ることがある
微熱、だるさ、食欲の低下など、肩以外の症状を伴うことがあります。
「肩が痛いだけなのに、なんだか体全体の調子が悪い」という場合は要注意です。
血液検査で炎症反応が出る
普通の五十肩や肩こりでは、血液検査に異常は出ません。
一方、リウマチ性多発筋痛症では、CRPという炎症の数値が高くなります。
ここが、見分けるうえでの大きな手がかりになります。
この病気は、両方の肩に症状が出るのが典型です。
ただし、この方のように、痛みの強さが片方に偏ることもあります。
「痛いのは片方だから五十肩だろう」という思い込みが、発見を遅らせることがあるのです。
普通の五十肩とどこが違うのか?
「では、自分の肩の痛みはどっちなのか」と気になりますよね。
五十肩(肩関節周囲炎)は、腕を特定の方向に動かしたときに痛むのが基本です。
時間はかかりますが、経過とともに少しずつ動きが戻っていくことがほとんどです。
一方で、次のようなサインがある場合は、五十肩以外の病気の可能性を考える必要があります。
- 治療を続けているのに、良くなるどころか悪化していく
- 朝のこわばりが強く、起き上がるのがつらい
- 肩だけでなく、首・腰・太ももにも痛みやこわばりがある
- 微熱・だるさ・食欲低下など、全身の不調を伴う
- 夜、痛みで目が覚める
特に大事なのは1つ目です。
五十肩の治療をきちんと受けているのに、数週間〜数ヶ月たっても悪化していく。
この場合は、一度血液検査を含めた検査を受けることをおすすめします。
リウマチ性多発筋痛症は、適切な治療(ステロイドというお薬)で症状の改善が期待できる病気です。
発見が遅れて痛みを我慢し続けるのは、とてももったいないのです。
当院での考え方

当院では、肩の痛みの施術を行う際、経過を注意深く見ています。
施術のたびに良い変化が積み重なっていくのが、五十肩を含めた一般的な肩の痛みの経過です。
逆に、施術をしても経過が思わしくない、悪化していくという場合には、「様子を見ましょう」と引っ張ることはしません。
医療機関での検査をおすすめしています。
整骨院と病院は、どちらか片方を選ぶものではありません。
冒頭の患者さんも、整骨院と整形外科の両方に通っていたからこそ、「おかしい」と気づくきっかけがありました。
それぞれの役割を活かして併用していただくのが、一番安全で確実だと考えています。
まとめ
なかなか治らない五十肩、悪化していく五十肩には、リウマチ性多発筋痛症のような別の病気が隠れていることがあります。
見分けの手がかりは、「治療しても悪化していく」「朝のこわばり」「全身の不調」、そして「血液検査の炎症反応」です。
肩の痛みが長引いて不安な方は、我慢せずにご相談ください。
検査が必要と考えられる場合には、当院から医療機関の受診をおすすめすることもできます。
【柔道整復師・鍼灸師 坂爪 慶監修】
さかつめ整骨院鍼灸院公式LINE@ページ
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